ACROSEEDグループ・業務活動レポート

ACROSEED お客様インタビュー S社(一部上場) 鉄鋼系専門商社

ACROSEED お客様インタビュー
企業名:S社(一部上場) 鉄鋼系専門商社



ご担当者:人事部 X氏
外国人雇用(採用):『日本文化への理解&日本語の習熟度』
人事部門の役割:『人事として“仕組み”を構築』
グローバル化に向けて:『ドメスティックさが自社らしさ』



ACROSEEDインタビュアー
「貴社では台湾の外国籍の方を招へいしたことがあると思いますが、どのような目的だったのですか?」

人事ご担当者様
「その台湾の方のときは、現地法人から受入れた外国人でありまして、現地法人のスタッフをより教育していくために受入れをしました。モチベーションアップを図るのと同時に、より現地化を進めていくための1つとして日本での勤務を経験していただいて、日本の業務の進め方ですとか理念といったところの理解と体感していただくことで、今後の現地法人での業務に役立てていただこうというものでした。」
「弊社の現地法人では、日本企業の顧客との取引が多いですので、そういった意味においても日本の業務の進め方やマネジメントといったことを理解しておいていただくことは重要だと考えています。近年では外国人材の受入れの目的の中に、人材教育や日本の業務の進め方といった理由がよく聞かれます。その他にも、日本の企業理念を伝えるといったこともあるようです。」


ACROSEEDインタビュアー
「台湾籍の方は、現在はもう就労予定期間を過ぎて帰国されたのですか?」

人事ご担当者様
「えぇ、帰国して現在も勤務を続けてくれています。」


ACROSEEDインタビュアー
「日本での勤務を経験して、帰国後退職してしまった、といったこともあるようですが。その後、アメリカ国籍の方も招へいされていますが、その方の目的も同様ですか?」

人事ご担当者様
「そうですね、アメリカでも同じ実績をつくりたかったというのはありますね。関連会社からの受入れでしたが、ある加工設備がある会社からの受入れで、当社は商社ですのでその加工の設備はございませんので、取引先企業へ見学に行くこともありました。」


ACROSEEDインタビュアー
「そのアメリカ国籍の方は6ヶ月間の予定のようでしたが。」

人事ご担当者様
「実は入国が遅れまして、当初は10月に入国して昨年の3月まで半年の予定でしたが、実際には11月の入国でした。昨年の3.11の地震のときで余震もひどく続きましのたで、本人の方から『地震にもう耐えられない…』ということで帰国してしまいました。」


ACROSEEDインタビュアー
「そういえば、他の会社さまでも、アメリカの方は地震に慣れていないというお話しを伺ったことがあります。」

人事ご担当者様
「あと、原発の問題もありましたよね。大使館からもけっこう避難のアナウンスがあったのかもしれませんね。」


ACROSEEDインタビュアー
「そうですね、アメリカ大使館から避難の勧告があったようです。」

人事ご担当者様
「来日の予定は半年間でしたが、アメリカの方はやっぱり家族単位で移動するのが前提なのか、当初は単身で来日をお願いしたのですが、『単身では行きたくない』ということでしたので、ご家族で来日しました。結局、そのご家族が(余震に)耐えられないということで帰国してしまいました。」


ACROSEEDインタビュアー
「現在は外国籍の方は何名ほどいらっしゃいますか?」

人事ご担当者様
「現在は7名ほどいます。そのほとんどは新卒採用ですが、中途採用もいます。」


ACROSEEDインタビュアー
「外国籍の方々の定着はいかがですか?」

人事ご担当者様
「そうですね、中途採用の方は日本企業の経験もありますし、年齢的にも40歳代ですので定着についての問題は特にないのですが、新卒者の場合はやはり若干名転職して退職していく者がいます。」


ACROSEEDインタビュアー
「日本人社員と比較した場合、外国人社員は離職率が高いといったことはありますか?」

人事ご担当者様
「それは特にないですね。日本人の新卒者も退職する者は退職していきますので、外国人だから退職したといったことはないですね。」
「当社はどちらかといいますと保守的な部分がありますので、採用段階である程度日本を理解した外国人を採用しますので、そこで異文化的な理由で退職することはなかったですね。」


ACROSEEDインタビュアー
「そうしますと、退職される理由はどのようなところが挙げられていますか?」

人事ご担当者様
「転職先などを伺うと弊社よりも規模的に大きな会社もありますので、処遇なども違うのかなと思います。また取り扱う規模も大きくなりますので、そういった自分の仕事に関わるところもあるのかなと思います。当社ですと、関連会社の商品を扱うことが主となってくることが多いですから、弊社のタッチできる業務の大きさがおのずと決まってきますので、そういったところかなと考えています。」


ACROSEEDインタビュアー
「外国籍のご本人からしますと、いわゆる“キャリアアップ”の転職ということでしょうか?」

人事ご担当者様
「そうですね。おそらく、外国人で退職していく者の方がそのあたりがはっきりしていますね。日本人の新卒者で早々と退職してしまう者は、ちょっと後ろ向きな退職といいますか、転職先も決まっていないけれどもとりあえず退職していく者もいます。ただ、外国人ですと、退職してしまうとそもそも日本に在留できないということもありますよね?」


ACROSEEDインタビュアー
「えぇ、そうですね。でももったいないですねぇ、そうしたネガティブな理由で退職していくというのは…。」

人事ご担当者様
「そうですねぇ。今年の新入社員なのですが、1ヶ月で退職した者もいました。新人研修が終了して早々に…。人間関係ですとか、最近は難しい側面もありますしね。」


ACROSEEDインタビュアー
「人間関係ですと、外国人の方々も障壁が大きいといわれているところもあります。やはり言葉の問題で日本人の部署やチームに馴染めないということから、すぐに次のステップアップを探し出すといったがことがいわれます。外国人の方々が定着していくうえで彼ら(彼女ら)が働きやすい職場環境づくりといった取組みが必要なのかも知れませんね。」

人事ご担当者様
「そうですねぇ。人事として全社に通知しているようなことはないのですが、2年ほど前になりますがインドネシアの国籍の方を採用しまして、やはり食事やお祈りの時間をとらないといけないですとか、あとお酒が飲めないですとか、そうした制約がありますので尊重してください、といったことがありました。」


ACROSEEDインタビュアー
「実際の受入れの部署に事前にご説明などされているということですね。他社さまでも、会議で配布するお弁当を2種類ご用意するといったことを伺いました。」

人事ご担当者様
「当社もその方を迎えた内定式で、ホテルの方へ『豚は使用しないでください』『豚系の調味料、ポークエキスは使用しないでください』ですとか、そのあたりの配慮をしました。」
「最初は営業部署への配属だったのですが、夜の席など接待する側ですとお客さまに合わせないといけませんので、お酒をすすめられて『飲めません』ということになりますし、理解のあるお客さまであればいいのですが、なかなか難しいので今は管理部門へ配置転換をしています。」


ACROSEEDインタビュアー
「わたしが取引の担当でしたら『お酒も飲めないで接待しているのかい!?』なんてことを言ってしまいそうです…。実際の企業内のお話し、非常に興味深く伺わせていただいております。日常的な人事上の取組みでは、特に“コレ”をやっていますというようなことはなく、逆にいいますと外国人を特別視していないといったことでしょうか。」

人事ご担当者様
「そうですね、弊社もまだまだこれからですので、他社さんですと『ダイバーシティの推進』ですとかいろいろな取組みもされていらっしゃると思いますが、弊社ではまだまだそういったところまで出来かねるところもあります。常識的に受入部門の方で対応しているといった感じです。」


ACROSEEDインタビュアー
「外国籍の方々が次々に退職していくという状況であれば人事部門として取り組むべきことがあるということでしょうけれども、現状として十分に対応できている状況ですね。」

人事ご担当者様
「当社では中国籍の方が多く、あまり宗教的なところの難しさということはないですね。」


ACROSEEDインタビュアー
「キャリアパスというところでも日本人と同じような昇進・昇級でしょうか?」

人事ご担当者様
「そうですね。ただ、中国へ赴任させる難しさはあります。結局、中国の現地法人サイドのスタッフがおりますので、同じ国籍で年齢も近くて給料が2倍というのは、受入れる中国側のスタッフの方が納得感得られないですよね。」
「今回、アメリカに駐在していただく中国国籍の方はいますが。」


ACROSEEDインタビュアー
「中国の方がアメリカへ赴任というのも珍しいですね。それは中国籍の方だからというのではなく、その方のポテンシャルの高さで赴任ですか?」

人事ご担当者様
「えぇ、そうです。」


ACROSEEDインタビュアー
「いかがでしょうか、中国籍の方と比較して、日本人とモチベーションの高さなどに違いはありますか?」
「一般的には外国人留学生はモチベーションが高いといわれますが、わたしもお会いしてお話しさせていただく機会があるのですが、その高さを感じます。自分自身の就職活動と比べますと恥ずかしくなってしまうくらいですが。」

人事ご担当者様
「確かに就職活動のときはとてもアクティブでパワフルな方は多いですが、最終的には弊社のカラーに合うような方が選考に残っていきます。それこそ割と日本文化をよく理解しているような外国籍の方が最終的に内定されるようなところもあります。」


ACROSEEDインタビュアー
「日本文化への理解ということですね。その他はやはり、日本語の理解とかになりますか?」

人事ご担当者様
「えぇ、弊社では社内の共通語が日本語ですので。」


ACROSEEDインタビュアー
「外国人の採用にあたっては重視しているところは日本文化への理解ですとか、日本語の習熟度ということですね。その他、貴社ならではといったところはございますか?」

人事ご担当者様
「弊社は商社ですので、人当たりの良さといったコミュニケーション力が大切です。そこは外国人には限りませんが。」
「あとは体力といいますか、ガッツがあって、あまり硬すぎず真面目すぎず、そういったところがあって、なおかつ外国籍の方でも日本語や、日本の社会ですとか文化についてある程度理解している方といったところで採用が決まってきています。」


ACROSEEDインタビュアー
「採用してから困ったことなどはありますか?」

人事ご担当者様
「最近の採用では、外国籍の方の場合、比較的高学歴の方でも就職活動で遅くまで残ってしまう方がいます。中国籍の方で国立の大学院を卒業されている方なのですが、優秀であることは確かですので、ご自身で描いているキャリアパスと弊社での仕事に折り合いがつかないといったことがあります。外国人ならではの悩みなのかもしれません。」
「日本語もできてしっかりした方なのですが、入社1年目は他の新入社員と同様に配属をされました。最初は細かな仕事も多く、そうしたところから弊社は学ばせていきます。就職してすぐに戦力ではありませんので、そういった勉強させる期間があります。そのあたりでフラストレーションが溜まるようなところがあるみたいです。資料などを見て『自分なら違う働き方をするのに…自分は3年後5年後どうなっていくのだろう』といった悩みを持たれているみたいです。」


ACROSEEDインタビュアー
「どのように対応されていますか?」

人事ご担当者様
「その方から『他の中国籍の方はどのようにされているのですか』という声が上がりましたので、今度アメリカに行く予定の中国籍の者と話しをしてみたらということになりました。それですべてが解決するとは限らないとは思いますが。」


ACROSEEDインタビュアー
「外国人留学生の声の中でも教育制度がしっかりしているところが日本企業の魅力の1つと捉えている方が多い中、自分の学歴やプライドと、自分が描きたいキャリアとギャップがフラストレーションになってくるというとこでしょうか。」

人事ご担当者様
「外国籍の方に限らないのでしょうけども、会社説明会などで商社ってこういう仕事をするんだ、とおそらくいろいろ想像して入社してくるのでしょうけれども、実際の配属先で学ぶ仕事とのギャップに悩む、というのは外国籍の方に限らず多いですね。」


ACROSEEDインタビュアー
「政府が推奨していることもあり、インターンシップの活用というのが増えてきているように感じますが、御社では活用されていますか。」

人事ご担当者様
「現在は考えていません。弊社の仕事ですと営業であればお客さまのところへ行ったりしますが、そこへ何もわからない学生を連れて行くことはできませんし、社内では貿易実務をしているスタッフもいますが、細かな貿易関連の書類をいっしょに見ていくのかな…と。それがインターンシップかな!?という感じです。そんなインターンシップいらないよ、と現場から声が上がりそうですし。」


ACROSEEDインタビュアー
「御社の第一線で働く商社マンからすれば、『んん!?なんでインターンシップを送り込んでくるんだ??』、みたいなところもありますよね。けっこう商社マンは体育会系だったりしますから」

人事ご担当者様
「そうですね、わりと体育会系ですね。テレビなどで見たのですが、学生さんに企画を任せてみるといった会社さんもあるようですが、当社ではまかせられる仕事がなかなかありませんので。」


ACROSEEDインタビュアー
「最近ではよく“グローバル”という言葉が使われて、人事部門においても世間一般的にグローバル人事のための政策が一気に進んでいるように感じられる部分もありますが、実際に企業さまのご担当者の方とお話しをさせていただきますと、『当社ではまだそれほど…』といった声の方が多く聞かされます。」
「グローバル人事の波に乗り遅れないように、明確に外国人を雇用する目的が定まっていない状態で、とりあえず外国人を雇用するといった印象を受けることがあります。人材ありきなのか人事戦略ありきなのか難しいところはあると思いますが。そこでよく企業さまからお聞きするのは、『外国人社員と日本人社員とを区分して処遇していない』というご意見です。」
「外国人の採用につきましては、日本文化への理解と日本語の習熟度を重要視している、ということですね。」

人事ご担当者様
「当社は商社ですが、ドメスティックなところはありますが、まだまだそのあたりは当社としては大切にしていかないといけないと考えています。」


ACROSEEDインタビュアー
「外国人社員への処遇について伺ったある会社さまの場合ですと、かなり限られた職種のため処遇を手厚くしないとなかなかいい人材が確保できないといった状況があるようなのですが、お話しをゆくゆく伺っていきますと、外国人社員と信頼関係を築いていくうえで『Wetな関係』という表現をされていました。なんとなく外国人との付き合いではドライなイメージがあるのですが、『Wetな関係』というのは意外でした。」
「長いお時間いただきありがとうございます。最後に親松さまにとって、大切にしてらっしゃる人事部門の役割などを伺ってもよろしいですか。」

人事ご担当者様
「なんといいますか、時代に応じてきちんと人材を活用できるような“仕組みづくり”が継続できるといいなぁとは思っています。子どもを育てながら働くといったワークライフバランスの仕組みなどですね。そうしたところもふまえて外国人に限らず日本人社員の方を活かしていけるような仕組みづくりをこれからも考えていきたいと思います。」


ACROSEEDインタビュアー
「なるほど、『仕組みづくり』ですね。人を管理するのではなく、仕組みを管理するということですね。本当に本日はお時間いただきありがとうございました。」

人事ご担当者様
「あまり、外国人の定着ですとか参考にならなかったと思いますが。」

ACROSEEDインタビュアー
「いえいえ、とんでもございません。他社さまでもいろいろ外国人雇用についてお悩みの部分もあると思いますし、私たちもビザ申請代行というアウトソーシングの業務が中心ですので、企業さまの内部のお声はなかなか伺う機会がございません。こうした企業さまの実際の事例などを伺い、広く情報を発信していきたいというのが趣旨でありますので、たいへん参考になります。本当に今日はありがとうございました。」
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